一眼レフカメラで、動画撮影をするメリットの一つにレンズの交換ができることです。
レンズの交換をすることで、普通のビデオカメラでの映像とは大きく違う、ハリウッド映画のような映像の質感や、画角で撮影することが可能です。
ハリウッド映画のようなカッコいい映像が、少し頑張れば手の届くような機材で、あなたにも撮れるなんて一昔前ならば考えられないことですよね。
今日は、普通のビデオカメラではちょっと真似できない映像の一つである、広角レンズを使った映像についてお話しします。
一眼レフカメラでの映像撮影は、レンズの交換をしなければいけないし、なめらかにズームもできないし、マイナスなことばかりです。
それでも一眼レフカメラで動画を撮影している人が多いのは、ビデオカメラでは表現できな映画のような映像を作り出せるからです。
この広角レンズを使えば、あなたの映像を見た人から「おー!」と驚く声が聞こえてくるでしょう。
「広角レンズ」ってなに?
広角レンズって名前は聞いたことがあるけど、どんなレンズが一般的に広角レンズと呼ばれるんでしょうか?
広角レンズは、フルサイズだと焦点距離が35mm以下のレンズのことを言います。
僕が使ってるカメラは、Canon 7D Mark IIなので、APS-Cのレンズに換算すると22mm以下のレンズがそれに当たります。
「広角レンズ」はどんな時に使えるの?
広角レンズは、広い画角のレンズなので、標準レンズや望遠レンズに比べて撮影できる範囲がものすごく広いです。
広々とした景色を撮影したいとか、狭い場所撮影したいときに、ものすごく役に立ちます。
例えば、あなたの短編映画でもドキュメンタリーでも、まちの様子を映像に入れたいなと考えたとします。
数秒でいいから、ちょっと高いところから撮影されたまちの全体像がわかるシーンを入れたいですよね。
そういう時に、広い範囲が撮影可能な広角レンズが力を発揮します。
それ以外だと、誰かの部屋で撮影をしようと思った時に、部屋が狭くてうまく撮影できないと感じたことはありませんか?
6畳の部屋で撮影をしないといけない時に、ビデオカメラで撮影をすると部屋のようすをフレーム内に収めるのは難しいです。
もっと狭い場所で言えば、車の中での撮影なんかは6畳の部屋どころではない狭さですよね。大きめの車だとしても、車内は撮影するには狭いです。
こういう時に広角レンズを使えば、全ての問題は解決します。
「広角レンズ」の特徴は?
いまお話ししたように、撮影できる範囲が広いので狭い場所でも撮影ができることは特徴の一つですがまだ他にもあります。
被写体深度が深いので、基本的に全てにピントが合います。被写体深度が浅いと、ボケ味が出て、映画のような背景がボケた映像が撮影できます。
広角レンズは、それとは違い、カメラに近いものや遠いものにもピントが合うようになっています。
遠近感が出るというのもこのレンズの特徴ですね。どういうことかというと、広角レンズで撮影をするとカメラに近いものは大きく、カメラから遠いものは小さく見えます。
この遠近ん感をうまく使えば、手前の人物がものすごく大きく映り、遠くの景色はものすごく小さく写るので、ダイナミックな構図を作り出すことができます。
動画の撮影にはどんな「広角レンズ」がオススメですか?
動画の撮影にオススメの広角レンズは、Tokina 11-16mm f2.8というレンズです。聞いたことありますか?ちなみに僕は、イギリス人のフィルムメーカー、Philip Bloomのブログで数年前に紹介されていたので知りました。
実際に僕も愛用しているレンズで、悪い部分もありますが、このレンズのいいところからまずはお話ししていきます。
このレンズには何度となく助けられたので、絶対にオススメのレンズといってもいいでしょう。
良いところ① 11-16mmで思いっきり広い超広角に撮影ができる!
さっきも言いましたが、APS-Cのレンズでは22mm以下のレンズが広角のレンズと言われています。
APS-Cのレンズで16mm以下のレンズを超広角というようです。
これは超広角の16mmからもっと幅広く撮影ができる11mmまでズームアウトができるモンスター級のレンズです。
焦点距離16mmでもかなりの広さが撮影できるので、このレンズがあればどんな狭い場所でもいい映像が撮影できます。
必要があるかわかりませんが、たとえクローゼットの中でも撮影できますよ。
もしドラえもんみたいな生活をしている人を撮影するならば、せまい押入れの中でも撮影できる、このレンズを使うといいですね。
良いところ② F2.8の明るいレンズ+ズームしても一定のF値!
F値がF2.8なので、明るいレンズです。狭い場所で撮影ができると言っても、狭い場所ってやっぱり暗いですよね。
車の中も夜だったら暗いし、さっき言った押入れの中もやっぱり暗いですよね。
F値が、F2.8であれば、結構な暗さの中でも撮影ができます。
夜に撮影をしたい人にもF2.8の明るさは魅力的ではないでしょうか。
良いところ③ スライダーやスタビライザーとの相性がいい!
11-16mmの超広角レンズは、遠近感がすごく出やすいのでスライダーやスタビライザーとの相性が抜群にいいです。
スライダーやスタビライザーも、カメラの近くのものと、遠くのものの位置関係によってダイナミックな映像が撮影できます。
これは、写真用でレンズを探している人にはあまり関係ないけど、動画撮影用には関係のあるとても大切なポイントですね。
特にスタビライザーは、映像制作をしている人には憧れの機材ですよね。スタビライザーそのものに心を奪われてしまいますが、どのレンズを使うかもものすごく重要です。
超広角レンズ+スタビライザーの組み合わせで、映画のようなゴージャスな映像を試してみてください。
Tokina 11-16mm F2.8のダメなところってありますか?
広角レンズでのオススメはTokina 11-16mm F2.8で間違いないのです。でも、このレンズは何にも問題がない理想的なレンズなんでしょうか?
どのレンズにでも言えることですが、良いところもあれば、ダメなところもあります。
正直にいって、すごく良いレンズなので、悪いことは言いたくないですが、あえていうならばという感じで3つだけあげておきます。
ダメなところ① ASP-C専用のレンズでフルサイズでは使えない!
このレンズをみんなに紹介したいところですが、ASP-C専用のレンズなのでフルサイズのカメラでは使えません。
カメラをAPS-Cから、フルサイズにアップグレードしたら使えなくなるので、このことは知っておいてくださいね。
ダメなところ② 映像に歪みが出る!
広角レンズの宿命か、あまりワイドで撮影をしてしまうと歪みが出てしまいます。
例えば、横並びの8人を撮影するとします。画面の左端と右端にいる二人は、真ん中にいる人に比べて大きく、そして残念なことに太って見えてしまいます。
本来の姿よりも横に引き伸ばされるので、女性を撮るときなんかは最大限に気をつけないといけないですね。
ダメなところ③ レンズがちょっと重い!
このレンズの重さは560gあって、単焦点レンズに慣れている人にはちょっとだけ重たいかもしれません。
特に、スタビライザーを使っての撮影は、全体の重量も重いので結構腕に負担がきます。でも、Canon 70-200 F4の705gや、同じモデルでF2.8の1.5kgに比べると軽いもんですかね。
あえて、悪いところを3点あげましたが、万能なレンズはありません。
すごく良いレンズなのであとはあなたの工夫次第になりそうですね。