転がっているチャンスをつかむには?
「モウリーニョ 成功の秘密」という本を読みました。サッカーをやっていたわけでも、熱狂的なサッカーファンでもない僕がこの本を手に取った理由は、ジョゼ・モウリーニョ監督という人がどういう人間なのかに興味があったからです。
結論から言えば、この「モウリーニョ 成功の秘密」は、モウリーニョが関わった選手やスタッフのインタビューを通じて「彼がどれだけ優れた人物か」を紹介している本です。僕が期待していたようなモウリーニョの考え方や哲学がわかるような本ではなくて少しがっかりしました。これより前に「モウリーニョの流儀」も読みましたが、こちらも期待していた内容ではなかったです。本人が執筆しているわけではないので内容に限界があるんでしょうね。
モウリーニョの成功の秘訣を読んで
モウリーニョの右腕ルイ・ファリアのエピソード
でも今回読んだ「モウリーニョ 成功の秘密」の中に、興味深い点がいくつかあったのでそのうちの一つを紹介したいと思います。それはモウリーニョの右腕であるルイ・ファリアのエピソードについてです。僕はこのファリアを知りませんでしたが、ヨーロッパサッカーに詳しい人ならば知っているのかもしれませんね。2002年のポルト時代から2017年のマンチェスターU時代まで、ずっとスペシャル・ワンと行動を共にしている人物です。
ファリアとモウリーニョが知り合ったのは、まだモウリーニョがバルセロナで、ボビー・ロブソンのアシスタントをしていた時のようです。ファリアは当時学生で、1999年にスポーツ・体育に関する卒業論文を書いてました。
その論文をモウリーニョに送ったところ、なんと本人から電話がきたのです。本当は他の指導者にも送ったけども、電話で感想まで言ってくれたのはモウリーニョだけでした。
そこでファリアが、まだアシスタントでしかなかったモウリーニョから言われたのが次の言葉です。
いつか俺は監督になるから、その時は一緒に働きたい
それから2年後、高校教師をしていたファリアに再びモウリーニョから電話がきて、現在に至るということです。人生の転機はどこにあるのかわかりませんね。
チャンスは誰の前にも転がっていて、どういう形でそれをつかむのかが重要のようです。
そもそも、ファリアが卒業論文をモウリーニョに送っていなければ、ファリアがヨーロッパのトップチームでスタッフをしていることもなかったでしょうね。
映画監督ウディ・アレンが考える成功の秘訣との共通点
最近読んだ本の中に「やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」という本があります。これは、人生で成功を決めるのは才能ではなくて、「やり抜く力」だということを説明した本で、最近読んだ中では一番に面白い本でした。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
その中で、アメリカの映画監督ウディ・アレンが話した「成功する秘訣」が紹介されていました。今回のルイ・ファレルのエピソードと少し似ているので紹介しますね。
人生で成功する秘訣の80%は、めげずに顔を出すこと
ファリアのエピソードの後だと、すごくわかるような気がしますね。「ヨーロッパのトップチームで働く」とか、「映画監督になる」のは難しいかもしれないけども、自分で書いた文章を郵送するとか、めげずに顔を出すことは多くの人にできることです。
「こうすると絶対に成功する!」というわけではないですが、転がっているチャンスをつかむ可能性が1%でも高くなるはずです。